2026/01/31 12:44

「一目惚れして買ったおしゃれな鉢。届いてみたら、思っていたより内側が狭くて植物が入らなかった……」

こだわりのある植物好きなら、一度はこんな経験があるのではないでしょうか?

これ、実はネットショッピングでの鉢選びにおける「あるある」なんです。

​特に、「3Dプリンター鉢」を選ぶ際、このサイズ感のズレは起こりやすい傾向にあります。

アガベ、塊根植物、サボテン、そしてエケベリアやディッキア。
品種は違えど、大切な植物を「デザイン鉢」に合わせる時、一般的なプラスチック鉢(スリット鉢など)と同じ感覚で「○号」を選ぶと、
中身のサイズ感が全く別物であることに驚くはずです。

今回は、デザイン鉢ブランドとして、「見た目のインパクト」と「植物の居心地」の両方を叶えるための、
新しいサイズの選び方
についてお話しします。



動画ではオリジナルのサイズが表示されております。外見はMサイズ(外径120-140mm)で4号〜5号、中身は実際作成するサイズの計算で0.46L(一般的な3.5号鉢相当)であることが分かりました。
単純な円柱計算ではなく、3Dデータの内部形状をそのまま抽出して算出しているため、誤差のない正確な容量です。




なぜ、おしゃれな鉢は「号数」通り選ぶと失敗しやすいのか?

これまでTristractでは、お客様が植え替えで失敗しないよう、できるだけ「実際に根が入るサイズ(内径)」を基準に号数をお伝えしてきました。
しかし、これには大きなジレンマがありました。

「内径で書くと、作品としての迫力が伝わらない」

一般的な鉢(スリット鉢など)は、厚みが1mm程度しかありません。
そのため、「外径=ほぼ内径」となり、号数通りの土が入ります。 しかし、デザイン鉢は違います。


  • 重厚感を出すための厚み

  • 鋭利なスパイクや独創的なフォルム


これらはすべて、植物を美しく見せるための「装飾」であり、鉢の直径(外径)を大きく広げる要素です。
その結果、「外径は5号(15cm)あるけれど、土が入る内径は3.5号(10cm)しかない」というギャップが生まれます。


これを単に「3.5号鉢」として販売してしまうと、5号クラスの迫力ある作品であることが伝わりません。
逆に「5号鉢」として売れば、お客様は「入らない」と困ってしまう。
この「デザイン(外径)」と「機能(内径)」の乖離こそが、おしゃれな鉢選びを難しくしている「号数の落とし穴」なのです。




「外径」は人のため、「容量」は植物のため

誤解を恐れずに言えば、デザイン性を追求した鉢は、土が入る効率だけを見れば「非効率」な道具です。


3Dプリンターならではの複雑な構造、幾何学的な模様、そして鋭いスパイク。 これらを表現するためには、どうしても鉢の「厚み」が必要になります。
一般的なプラスチック鉢の肉厚が約1mmであるのに対し、デザイン鉢は数mm〜1cm以上の厚みを持つことも珍しくありません。


しかし、この「厚み」こそが、光を当てた時の陰影を生み、植物をより引き立てる「額縁」となります。
つまり、鉢のサイズには2つの全く異なる意味が含まれているのです。


  • 外径(号数):人のためのサイズ その鉢が持つ存在感や、棚に並べた時の迫力。所有する喜びを満たすための「デザインの領域」です。

  • 容量(リットル):植物のためのサイズ 根が伸びる物理的なスペース。植物が健全に育つための「現実の領域」です。


これまでのように「号数」だけで選ぶということは、この「デザイン(外径)」と「現実(容量)」を混同してしまうことでした。
 「5号の迫力が欲しい(人)」と「3号分のタイトな土環境で育てたい(植物)」は両立します。
しかし、「5号の土が入るはずだ」と思い込んでしまうと、思わぬサイズ違いの原因になります。


だからこそ、Tristractではこれからの基準として、デザインと機能を切り分けて考えることを提案します。




見えない「土の量」を可視化する。それが「実効容量(L)」

もちろん、鉢の「乾きやすさ」は土の量だけで決まるものではありません。
土が空気に触れる表面積、鉢の素材、そして置かれる環境(気温・湿度・風)など、多くの要素が複雑に関係しています。
同じ土量でも、間口の広い浅鉢と、細長い深鉢では乾くスピードは全く異なります。


しかし、それでも「実効容量(L)」を公表するには理由があります。
それは、複雑なデザインの中に隠れてしまった
「保水量の最大値(リスク)」を知っていただくためです。


3Dプリンター鉢は、その特殊な形状ゆえに、外見から土の量を推測することが困難です。
「このくらい入るだろう」という目測が外れ、必要以上に土が入ってしまうと、
植物のサイズに対して水分過多(オーバーポッティング)の状態を招きます。


  • 兜丸やオベサのように、過湿による根腐れや身割れを防ぎたい時。

  • エケベリアのように、あえて根域を制限して美しく色付かせたい時。

  • ディッキアのように、強健な根のために十分な土量を確保したい時。


「形状や環境は違えど、少なくとも土の量(=水を含むスポンジの大きさ)だけは正確に把握する」


これが、失敗しない鉢選びの第一歩です。
「この株には0.4L分の土が適量だ」という基準を持っていれば、どんなに奇抜なデザインの鉢であっても、
土の量から逆算して「適正範囲内か、危険か」を判断することができます。




これからの選び方と、サイズの目安表

これからのTristractの鉢選びでは、ぜひスペック表の「容量」にご注目ください。
 ご自身が普段お使いのプラ鉢(スリット鉢など)の号数と照らし合わせることで、
直感的なサイズ感が掴めるようになります。


【容量とサイズ感の目安】 



まとめ:デザインと機能、どちらも諦めないために


「かっこいいけれど、使いにくい」 「育つけれど、見た目が地味」


私は、このどちらも選びたくありません。
Tristractが目指すのは、所有欲を満たす圧倒的なデザインと、植物が生育するための機能性が両立した
「空間的なアート作品」です。


そのために、「号数」という曖昧な表現に頼るのをやめ、より正確な「データ(容量・内径)」を公開していくことにしました。
 順次、商品ページの情報を更新してまいります。


少し面倒に感じるかもしれませんが、ぜひ一度、お手元の鉢にどれくらいの土が入っているか(何リットルか)を意識してみてください。
その数字を知ることは、あなたの植物をより美しく、安全に育てるための強力な武器になるはずです。